コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

回り舞台 まわりぶたい revolving stage

7件 の用語解説(回り舞台の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

回り舞台
まわりぶたい
revolving stage

舞台中央の円形部分が回転する機構をもった舞台。場面転換の時間節約にもなり,また演出上の舞台効果を生む。歌舞伎では,高さの異なる2重構造の舞台の高いほうの部分を回転させる「ぶんまわし」が 18世紀初めに考案されたが,同一平面の一部が回る今日の回り舞台は,宝暦8 (1758) 年大坂で演じられた並木正三の『三十石よふね始 (よふねのはじまり) 』が最初とされる。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

まわり‐ぶたい〔まはり‐〕【回り舞台】

劇場の舞台で、中央の床を大きく円形に切り抜き、その部分を回転して場面転換させる装置。また、それを備えた舞台。歌舞伎舞台で発生した。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

回り舞台【まわりぶたい】

舞台中央の床板を大きく円形に切り,回転させる機構。1758年並木正三が大坂で案出。背中合せに二つまたは三つの装置を飾り,転換を迅速にする歌舞伎独特の設備。円形の床板を盆という。
→関連項目大道具劇場

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

とっさの日本語便利帳の解説

回り舞台

舞台中央を円形に切り(盆という)、回転させることによって舞台装置の転換を容易に行う機構。原型となる「ぶん回し」は正徳・享保年間に創案されたが、現在のような大掛かりで機能的なものは一七五八(宝暦八)年、大坂の狂言作者・初代並木正三が初めて用いた。

出典|(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

まわりぶたい【回り舞台】

歌舞伎独特の舞台機構。舞台中央の床を大きく円形に切って,その上に飾った装置をおいたまま回転させる。《歌舞妓事始》によると,正徳・享保期(1711‐36)に江戸で活躍した狂言作者中村伝七は,いろいろの珍しい大道具を考案して,見物をおどろかせたが,その中に〈ぶん回し〉というのがあった。これは舞台の上にもう一つ四角い台をのせ二重舞台を作り,その下に車をつけ,回すときは道具方が3,4人出て,棍棒で押しやって回した。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

まわりぶたい【回り舞台】

舞台の床を円形に切って、奈落にある轆轤ろくろなどで回転させる舞台機構。正徳・享保期(1711~1736)に発生。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

回り舞台
まわりぶたい

劇場の舞台機構の一つ。舞台の床を円形に切り(これを盆(ぼん)とよぶ)、心棒によって回転させる機構で、初めは舞台装置の転換をスムーズに行う目的から創案された。のちには、その機構の効果を作劇に活用し、同時に並行して別の場所で起こっている二つの事件を、舞台を何度も往復させる方法で示すことも行われた。原型となる素朴な「ぶん回(まわ)し」は、すでに正徳(しょうとく)・享保(きょうほう)年間(1711~36)のころ、中村伝七によってくふうされていたが、今日みられる形式のものは、1758年(宝暦8)大坂の狂言作者初世並木正三(しょうざ)が『三十石(さんじっこくよふねのはじまり)』でくふうして使ったのに始まるといわれている。そのときは平床の上に重ねた上舞台だけを回す「上回し」だったが、のちに床板を切って舞台と同一平面で回転させる形式に発達した。近代に入って、すべて電動式になったが、それ以前は奈落(ならく)で人が手で動かした。その古風な様式が香川県仲多度(なかたど)郡琴平(ことひら)町の旧金毘羅(こんぴら)大芝居(通称金丸(かなまる)座)にそのまま残っており、実際の使用も可能である。[服部幸雄]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の回り舞台の言及

【大道具】より

…歌舞伎から出た語であるが,現代では一般の演劇から映画・テレビなどの用語にもなっている。ただし,一般演劇では〈舞台装置〉,映画・テレビなどでは〈セット〉という語の同義語として使われるが,歌舞伎本来の大道具とはもっと範囲が広く,〈引幕〉〈回り舞台〉〈セリ〉など劇場常備の舞台機構も含まれ,道具の作製と飾りつけや機構の操作を受けもつ職業を〈大道具師〉〈大道具方〉または〈道具方〉と呼んでいる。 初期の歌舞伎は能舞台をそのまま模したような舞台で,演目も単純な一幕物ばかりだったから,大道具も簡単であったが,脚本が進歩して多幕物が発達し,演出も複雑になるにともなって,それまで舞台装置に類するものを担当していた大工職が独立し,専門の大道具師が生まれた。…

【歌舞伎】より

…とりわけこの時期には舞台機構の面が発達した。セリ上げや回り舞台がくふうされ,変化に富んだ作劇や演出が可能になった。この面では,上方の名作者初世並木正三の功績が大きい。…

【劇場】より


[独自の舞台機構の開発]
 宝暦年間(1751‐64)には,舞台機構の上での改新的な数々の技術改革が実施された。セリ上げ(1753),狂言作者並木正三による回り舞台(1758)の発明,スッポン(1759),がんどう返し(1761),次の明和期には引割り,さらに1789年(寛政1)には田楽返しが創案されて,歌舞伎の演出上多彩な展開を可能とした。すでに歌舞伎劇場の舞台面では,1761年には舞台上の破風屋根を除去したし,目付柱・脇柱も撤去して独自の展開をすすめる条件が整えられた。…

【小芝居】より

…江戸時代,官許以外の劇場は,はじめ,あちこちに散在したものが,だんだん制約を受け寺社の境内に限られるようになったので宮地芝居と呼ばれ,またその場合興行日数を100日に限って許されたので百日芝居ともいった。これらの小芝居は興行地,日数のみならず,は許されず,回り舞台や引幕も許されなかった。引幕が使えないので緞帳(どんちよう)を使っていたために緞帳芝居の称もある。…

【三十石艠始】より

…また,どんでん返しに次ぐどんでん返しで,観客の意表を衝く趣向にみちていて,江戸中期の芝居の野放図な活力がよく伝わる作品。作者の並木正三は,この作品で回り舞台を発明したと伝えられている。しかし現在では,回り舞台の原形はすでに地芝居やその他の芸能に存在していて,それを正三が,この作品で初めて歌舞伎の大劇場へ導入したという説が有力。…

【舞台】より

… 享保から元文・延享・宝暦・明和にいたる18世紀前半から中葉にかけて,舞台機構や設備の上で創意にみちた新しい考案が,次々に実施されていく。1753年(宝暦3)12月大坂の大西芝居で〈セリ上げ〉,5年あとの58年2月には狂言作者並木正三によって同じく道頓堀角の芝居で,大劇場では画期的な〈回り舞台〉が創始された。さらに59年4月道頓堀の大西芝居で〈スッポン〉が,61年12月大坂の中の芝居で〈がんどう返し〉が,さらに66年(明和3)に大西芝居で〈引割〉が創案された。…

※「回り舞台」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

回り舞台の関連キーワード大道具正本製穴番歌舞伎子歌舞伎役者舞台番本舞台敷舞台野舞台竹柴蟹助

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

回り舞台の関連情報