宙乗り(読み)チュウノリ

デジタル大辞泉 「宙乗り」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐のり〔チウ‐〕【宙乗り】

歌舞伎で、役者身体を宙にり上げて、舞台花道などの上を移動させる演出。また、その装置。妖怪・妖術使いなどに用いる。上方では宙吊りという。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宙乗り」の意味・わかりやすい解説

宙乗り
ちゅうのり

歌舞伎の演出の一つ。関西で「宙吊り」,また俗に「ふあふあ」ともいう。俳優の身体を宙に吊って舞台や観客席の上を移動させる演出。舞台の簀の子から綱 (ワイヤー) を下げ,俳優が衣装の下に着ている連尺の襟についた鉄環にその綱をかけて上下し,また簀の子上の溝 (レール) を用いて左右に移動させる。また腰掛を降ろしてこれに俳優を乗せる方法もある。元禄 13 (1700) 年1世市川団十郎が『大日本鉄界仙人』の曾我五郎役で始め,宝暦 11 (61) 年狂言作者並木正三が完成したという。

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世界大百科事典(旧版)内の宙乗りの言及

【歌舞伎】より

…勇気を象徴する。 宙乗り(ちゆうのり)俳優の体を宙に吊り上げ,舞台上,または花道・客席の上を移行させて空中を飛行するさまを見せる〈ケレン〉的な演出。元禄ごろから行われてきた。…

※「宙乗り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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