舟入川(読み)ふないれかわ

日本歴史地名大系 「舟入川」の解説

舟入川
ふないれかわ

物部ものべ川の山田やまだ(現香美郡土佐山田町)の舟入閘より取水香長かちよう平野を西南流して後面ごめん町、大津おおつ(現高知市)を経て浦戸うらど湾北部に注いだ。浦戸湾北部はその後の干拓などによって狭められ、湾に注ぐ国分こくぶ川は下流部が延長、舟入川は現在国分川下流部に合流している。

野中兼山の計画によって万治元年(一六五八)から開削が始められ、同三年に完成した。高さ四尺、幅九尺、長さ八間の舟入閘から、井筋は香美郡内で水深二―四尺、長岡郡内では水深四―七尺、広さ三―四間で掘進められ、下流は明見みようけんにあったまとヶ池を源とする大津川を利用した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の舟入川の言及

【南国[市]】より

…後免(御免)の名は諸税を免除する特典を与えられたことに由来する。また舟入(ふないれ)川が開削されて広大な農地を灌漑し,物資が高知城下に運ばれた。肥沃な穀倉地帯で,かつては米の二期作地帯として知られたが,現在はナス,キュウリ,ピーマンなど野菜の促成栽培やタバコ栽培が盛ん。…

※「舟入川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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