船岡遺跡(読み)ふなおかいせき

日本歴史地名大系 「船岡遺跡」の解説

船岡遺跡
ふなおかいせき

[現在地名]大飯町本郷

青戸あおと入江に南から北へ突出した岬状の丘陵(通称つんぼ山)があり、この西南一帯の入江に面する狭小な場所にある。奈良時代の土器製塩遺跡で船岡式土器の標式遺跡でもある。この地域は船岡とよばれ遺跡名もこれによる。

昭和三五年(一九六〇)と三六年に発掘調査が実施された(「若狭大飯」福井県大飯町・一九六六年)。遺跡の南北に六群一七基の敷石製塩炉跡と海岸線に沿った敷石帯とよばれる護岸跡、炉跡群南部の国道二七号近くに焼土面が検出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の船岡遺跡の言及

【塩】より

… 土器製塩遺跡の構造は,香川県直島町喜兵衛島遺跡を例にとると,遺跡のほぼ中央に炉があり,その回りに作業面が広がり,ついでその外方に莫大な使用ずみの製塩土器,灰,炭などの捨て場が形成される。炉は石組みのもの,石敷きのもの,灰土で壁をつくるものなどあり,大は福井県大飯町船岡遺跡の長径約5m,短径約1.8mの石敷炉,小は香川県坂出市ナカンダ浜の長径約1.0m,短径約0.7mの灰土炉などがある。製塩土器でつくられた塩が,さらに加熱固型化され,いわゆる焼塩にされる場合もあり,古代の文献にみえる顆(か)あるいは果という計量単位は,こうした固型焼塩の存在を示すものであろう。…

※「船岡遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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