日本歴史地名大系 「大飯郡」の解説
大飯郡
おおいぐん
県の最西端に位置し、北は若狭湾に面する。海岸線はリアス海岸で若狭湾国定公園の一部をなす。東は小浜市、南は丹波山系の枝峰で
郡名は「日本紀略」天長二年(八二五)七月一〇日条に「若狭国割遠敷郡建大飯郡」とみえ、この時遠敷郡より分置された。「和名抄」刊本郡部は「於保伊太」、「延喜式」神名帳は「オホヒ」「ヲホヒタ」と訓ずる。当時の郡域は、現舞鶴市の一部、
〔原始〕
〔古代〕
「和名抄」高山寺本記載の郷は大飯・
藤原宮・平城宮出土の若狭関係の木簡は三四例知られるが、約半数は当郡に関係する。中に贄に関する三例があり、いずれも青郷(阿遠郷)からのもので、鯛の鮓・鰯の・貽貝等を貢進していた。ほかはすべて調としての塩に関係する。一例を示すと「若狭国遠敷郡 佐文郷三家人石万呂戸口三家人衣呂 御調塩三斗 景雲四年九月廿九日□古万呂」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報