最新 地学事典 「船川層」の解説
ふなかわそう
船川層
Funakawa Formation
秋田地方の海成上部中新統〜上部鮮新統.おもに暗灰色泥岩・シルト岩からなり,酸性凝灰岩・凝灰質砂岩薄層を挟む.最下部は下位の女川層から漸移し,珪藻質(もしくは珪質)シルト岩が優勢で,泥岩と互層するところもある。海生の貝・有孔虫・放散虫・珪藻・石灰質ナンノプランクトンなどの化石を産出。層厚は最大で1,600m以上。模式地は男鹿半島南岸の船川付近。大橋良一(1918)命名,外山四郎(1925)紹介。現在,船川層は再定義され(鹿野和彦ほか,2011),下位から,暗灰色泥岩・シルト岩主体の船川層(再定義),青灰色凝灰質泥岩・シルト岩に酸性凝灰岩(もしくは凝灰質砂岩)薄層を多数挟む南平沢層,灰色凝灰質シルト岩・泥岩からなる西水口層に三分。船川層と南平沢層は下位層からオフラップし,西水口層は南平沢層以下の海成層にオンラップするものの,東隣の八郎潟の地下では欠如している。船川層と西水口層から産出する底生有孔虫群集は,生息環境が下部半深海から中部半深海へと変わったことを示唆する。生層序学的に推定される年代は,船川層6.7~5.6Ma,西水口層3.6~1.9Maで,秋田市側に広く分布する船川層の下部と上部に,また西水口層は天徳寺層の中~下部に対比できる。
執筆者:鹿野 和彦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

