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有孔虫 ユウコウチュウ

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デジタル大辞泉の解説

ゆうこう‐ちゅう〔イウコウ‐〕【有孔虫】

肉質綱有孔虫目の原生動物の総称。多くは体が1ミリ以下で、主に石灰質の殻をもつ。大部分が海産で、海底に仮足で付着。プランクトンとして浮遊するものもある。地質時代の化石も多い。

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百科事典マイペディアの解説

有孔虫【ゆうこうちゅう】

原生動物肉質虫亜門の一群。多孔性の石灰質やキチン質からできた円盤状,壺状,球状などさまざまの形の殻をもち,殻内は原形質でみたされたいくつかの室に区切られている。
→関連項目アメーバ運動

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうこうちゅう【有孔虫 foraminifer】

肉質虫類に属する原生動物の1目Foraminiferaで,海洋に広く生息しているが,少数ながら淡水生のものもある。大多数は底生生活者であって,ごく一部の種類が浮遊性生活を営む。化石はカンブリア紀以来の海成層に産出し,示準化石示相化石として重要な役割を果たしている。古生代より現生のものまですべてを含めると,約1400属,3万4000種以上に達するが,そのうち約4000種は現生種である。日本では,クダドロムシRhizammina indivisa,ジュズドロムシReophax scorpiurus,タマハナドロムシTrochammina globigeriniformis,ウズシラガイCornuspira involvens(イラスト),タマウキガイGlobigerina bulloides(イラスト),キスイコマハリガイAmmonia beccariiなどがふつうに見られる

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大辞林 第三版の解説

ゆうこうちゅう【有孔虫】

原生動物肉質綱根足虫類の一群の総称。微小な単細胞動物で、石灰質・キチン質などを含む殻をもち、形は多様。多くの種類があり、ほとんどが海産で、底生のものと浮遊性のものとがある。地質時代に大繁栄したので、その化石は地質調査の指標として重要。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有孔虫
ゆうこうちゅう
Foraminifera

原生動物(原生生物)の肉質虫類、有孔虫目Foraminiferidaに属する微小な生物。多くは鉱物質の殻をもつ。殻には、砂粒や小さな生物の殻の破片などを集めて膠着(こうちゃく)したものと、自ら分泌したものとがある。1ミリメートル以下のものがほとんどであるが、まれに10センチメートル以上に達する種類もある。殻は1個あるいはそれ以上の室で成り立っている。各室は、線状、平面旋回状、螺旋(らせん)状などさまざまな配列をする。殻の開口部より、仮足とよばれる糸状の原形質を放射状に伸ばす。仮足は分枝・合流を繰り返し、網状となって殻全体を覆う。これは、珪藻(けいそう)、珪質鞭毛(べんもう)藻、バクテリアなどの捕食、それらの消化、新室の形成、付着、移動などにさまざまな役割を果たす。一方、有孔虫は、小さな腹足(ふくそく)類、斧足(おのあし)類、翼足(よくそく)類、甲殻類などに捕食される。共生藻類をもつ種類も知られている。無性的な分裂と有性生殖を交互に繰り返して増える。多くの種類は海産で底生である。汽水性のものや浮遊性のものは少ない。生産量が高く、陸からの砂や泥の供給の少ない海域では、浮遊性有孔虫が多量に堆積(たいせき)し、有孔虫軟泥(グロビゲリナ軟泥)が形成される。また、八重山(やえやま)列島や竹富島など、暖海の島の砂浜をつくる星砂も有孔虫である。[谷村好洋]

化石

有孔虫の産出記録は、古生代カンブリア紀までさかのぼることができる。初期の有孔虫は単室で、鉱物質や殻壁が鉱物粒子や生物の遺骸(いがい)からなる膠着質の殻をもち、生息域はほぼ浅海に限られていた。古生代の中ごろ、有孔虫は大きな分化を遂げる。それは、多室形のものの出現と、等大の角張った方解石からなる微粒質殻をもつ有孔虫の分化である。石炭紀には、微粒質殻の有孔虫から、サイズが大きくなり、構造も特殊化したフズリナ類(紡錘虫類)が分化・発展する。そして石炭紀末には、一見、不透明にみえる磁器質殻の有孔虫も現れる。これに続くペルム紀(二畳紀)はフズリナ類の急速かつ多様な分化で特徴づけられる。これはペルム紀末の急激な絶滅とともに、有孔虫の進化史上もっとも大きなできごとといえる。また、ペルム紀には、中生代から新生代へと繁栄する、多孔質なガラス状石灰質の殻をもつ有孔虫が出現する。中生代ジュラ紀に入り、それまですべて底生であった有孔虫のなかに、浮遊生活に適応していたと考えられるものが現れる。また、ほぼ同じころ、深海生活をする底生有孔虫も出現する。それらは、白亜紀以降新生代へと、生息域を飛躍的に広げていくことになる。新生代古第三紀は、貨幣石(ヌムリテス)に代表されるような大形有孔虫の多彩な分化の時代といえる。第四紀の終わりころになって、細長い方解石の結晶からなる針状体質殻をもつ有孔虫が出現する。
 このような有孔虫の進化史は、有孔虫化石が標準化石として用いられるときの理論的基礎となっている。後期古生代のフズリナ類、古第三紀の大形有孔虫類などは、古くから地層の対比や時代決定に用いられてきた。これらとともに標準化石として重要な役割を果たしてきたものに、白亜紀中期以降の浮遊性有孔虫類がある。なかでも、プレートテクトニクスということばで代表されるような新しい動的な地球観をつくることを目的に進められてきた国際深海掘削計画(DSDP、ODP)のなかで、標準化石としての浮遊性有孔虫化石が果たした役割は計り知れない。また一方で、有孔虫は示相化石としても重用されている。有孔虫は、水温、塩分、深度、底質の性質、水素イオン濃度、溶存酸素量、海底地形などに影響・規制されて生息している。現在の海洋での、これら環境条件と有孔虫の種組成や形態との関係を地質時代の有孔虫化石群集に適用して、地層の堆積環境や過去の海流像や気候などを明らかにする研究が盛んに行われている。さらに、有孔虫は古くから、石油の探査に欠くことのできない手掛りとして用いられてきた。[谷村好洋]
『半沢正四郎著『大形有孔虫』(1973・朝倉書店) ▽日本化石集編集委員会編『日本化石集21 新生代の浮遊性有孔虫化石』(1978・築地書館) ▽日本化石集編集委員会編『日本化石集22 白亜紀・第三紀の大形有孔虫化石』(1974・築地書館) ▽日本古生物学会編『化石の科学』(1987・朝倉書店) ▽福田芳生著『化石探検PART1 ストロマトライトから穿孔貝まで』(1989・同文書院) ▽速水格・森啓編『古生物の科学1 古生物の総説・分類』(1998・朝倉書店)』

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