船橋九日市村(読み)ふなばしここのかいちむら

日本歴史地名大系 「船橋九日市村」の解説

船橋九日市村
ふなばしここのかいちむら

[現在地名]船橋市本町ほんちよう一―七丁目・北本町きたほんちよう一―二丁目・湊町みなとちよう一―三丁目・南本町みなみほんちよう海神かいじん二―三丁目・市場いちば一丁目・行田ぎようだ一丁目

現市域の南端に位置し、南は江戸湾に臨む。船橋村のうちで、単に九日市村ともみえ、地名は室町時代の九の日の市にちなむ。集落は砂洲上に発達し、近世以降成田道(房総往還)宿場町として栄え商業も発展し、船橋宿の中核であった。臨海地区は漁師りようし町とよばれ、船橋浦漁業地帯を形成。最勝さいしよう院の弥陀三尊種子を刻した正中元年(一三二四)六月二五日銘の石塔があるが、後世の造立。永禄三年(一五六〇)六月一六日の万栄判物(船橋大神宮文書)に「西船橋九日市場之内天王谷原并塩場」とある。慶長一九年(一六一四)頃に将軍家宿泊のための船橋御殿が設けられたとされる。寛政五年(一七九三)の船橋九日市村明細帳(船橋町誌)によれば、田三六九石余、四八町七反余のうち上田四町一反余(石盛一二、以下二ツ下がり)・中田八町一反余・下田一七町九反余・下々田一〇町六反余・悪地下々田七町八反余、畑三〇三石余、六一町九反余のうち上畑一町七反余・中畑三町六反余・下畑一二町三反余・下々畑一八町四反余・悪地下々畑二一町一反余、屋敷四町五反余、ほか御林跡新田三町二反余・御萱野跡秣場跡新田七町七反余があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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