船長日記(読み)ふなおさにっき

改訂新版 世界大百科事典 「船長日記」の意味・わかりやすい解説

船長日記 (ふなおさにっき)

江戸後期の漂流記池田寛親編。名古屋の督乗丸(乗組員14名)が1813年(文化10)江戸から帰航中遭難,漂流16ヵ月後,生存者3名が北アメリカ大陸の南西洋上でイギリス船に救助され,以後カナダ,アラスカを経てカムチャツカに至り,ロシア船に送られてウルップ島上陸,船頭重吉ら2名が択捉(えとろふ)島,国後(くなしり)島を経て17年故郷に帰着するまでの苦難の体験と見聞を記録したもの。鎖国下の海外見聞録,記録文学として貴重な資料である。《日本庶民生活史料集成》所収。
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百科事典マイペディア 「船長日記」の意味・わかりやすい解説

船長日記【ふなおさにっき】

三河(みかわ)新城(しんしろ)の菅沼家用人池田寛親(ひろちか)(藍水)の著した尾張船督乗丸(1200石,14人乗り)の漂流記。1822年完成。1813年旧11月江戸から復航中遠州灘で遭難,484日間の漂流に耐えたのちカリフォルニア沖で英国商船に救われ,米国,ロシアを経て1816年帰国したが,その沖船頭重吉の体験談に基づいて著したもの。→時規物語北槎聞略

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