色代・色体・式体(読み)しきだい

精選版 日本国語大辞典 「色代・色体・式体」の意味・読み・例文・類語

しき‐だい【色代・色体・式体】

〘名〙 (「しきたい」とも)
① 他の品物でその代用とすること。また、そのもの。上代では調庸の指定品目の代納に、中世では米納を原則とする田租の代納にいう場合が多い。
御堂関白記‐長和五年(1016)五月二二日「諸国年来間申請色代、望仏神事期下文、以色代之、公用間致事煩
② (━する) 深く頭を下げて挨拶(あいさつ)すること。会釈すること。礼をつくすこと。
梁塵秘抄口伝集(12C後)一〇「色代かひがひしく、この節(ふし)(たが)はぬを賞(め)で感ず」
随筆・貞丈雑記(1784頃)一「人に対して互に礼をするを旧記に色体(シキタイ)とあり〈略〉礼法を正し辞退して人を先にたて我はあとに退く心なる間式退と云也」
③ (━する) お世辞をいうこと。追従すること。また、そのことば
吾妻鏡‐正治二年(1200)一二月「色代申物にすきたるとかはなし」
※米沢本沙石集(1283)八「色代にも、御年よりも遙か若く見え給ふと云ふはうれしく」
④ 相手に譲って遠慮すること。辞退すること。
※今川大双紙(15C後)躾式法之事「何事も式体は二度三度まではよし。あまりにするは人ををこづくに似てわろし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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