精選版 日本国語大辞典 「色直」の意味・読み・例文・類語
いろ‐なおし‥なほし【色直】
- 〘 名詞 〙
- ① 白色の衣服から色のある衣服に着替えること。
- ② 諒闇(りょうあん)が終わった時、魚味のある御膳を供すること。〔基量卿記‐延宝六年(1678)六月二〇日〕
- ③ 葬儀のとき、墓参りをすませて、精進落ちをすること。肴物(なまもの)を食べ、平常着に着替える。昭和初期まで地方で行なわれた風習。
- ④ 染め直し。
色直の語誌
( 1 )①(イ) について、産婦や生まれたての赤子が白い衣服を着せられていたという事実は、「宇津保物語‐蔵開上」や「源氏物語‐葵」「紫式部日記」などの記述でうかがい知ることができる。しかし、「いろなおし」という語それ自体が見えるのは、中世の記録類からである。
( 2 )①の(イ)(ロ)どちらが本来的なものかは不明であるが、白い衣服を色のある衣服に着替えるという点で共通し、その行為一般をさす語として用いられていたのであろう。