芋川(読み)いもかわ

精選版 日本国語大辞典 「芋川」の意味・読み・例文・類語

いも‐かわ‥かは【芋川】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙いもかわうどん(芋川饂飩)」の略。
    1. [初出の実例]「今岡村のたてばにいたる此のところは、いもかはと言、めんるゐの名物、いたって風味よし」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)四)
  2. [ 2 ] 三河国碧海郡(現在の愛知県刈谷市)にあったと伝えられる地名。平打ちうどんで有名な宿場

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「芋川」の解説

芋川
いもがわ

平鹿ひらか郡境の保呂羽ほろは山に発し、出羽山地西斜面の水を集めて大内町を東西に貫流する。上流羽広はびろ川・たき川が鹿爪かのづめで合流、さらに代内のしない川・小関こせき川・赤田あかた川を合わせ、本荘市川口かわぐち地内で子吉こよし川に合する。全長四一・三キロ。流域の狭小な河岸段丘上、沖積平野は農耕地となり、おもな集落もここにある。

芋川の名称を宝永七年(一七一〇)の御巡見様御案内ニ付留書覚印牒(大内町文化財資料)は「いにしへ彼ノ沢より大き成ル芋出申候、せばき所ニてつきやぶり海へ出申候、それ故芋川と申候」と記す。菅江真澄の「雪の出羽路」は「保呂羽峯よりおつる滝川也、そこに年を幾年経しともしらぬ大いものありしが、大蛇とくゑして降りぬ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の芋川の言及

【うどん(饂飩)】より

…また,めん類所の丸屋,長浜屋のほか,日野屋の桶うどんは数十町先へ出前しても冷めなかったという。地方では,東海道の芋川の立場(たてば)(現,愛知県刈谷市若松町逢見)の平うどんの評判が高く,干しうどんは近江の日野,羽後の稲庭(いなにわ),下総の行徳が有名であった。とくに秋田県雄勝郡稲川町稲庭の平うどんは,江戸時代からの名声をいまも保っている。…

※「芋川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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