今岡村(読み)いまおかむら

日本歴史地名大系 「今岡村」の解説

今岡村
いまおかむら

[現在地名]福山市駅家えきや町今岡

上山守かみやまもり村の西、芦田あしだ川南岸の地で、南に高増たかます山を主峰とする山地を背負い、北流する末谷すえたに川の細流とこの谷奥に築造された末谷池を灌漑用水とする農耕地が展開、早くから開けた地域で、石槌いしづち権現のある丘陵尾根上に住居跡や古墳群が所在、発掘調査の結果、弥生後期の住居跡、巨大な前方後円墳や二基の方形墳、一基の円墳と土壙があり、前方後円墳の木棺内部からは製内行花文鏡や剣・刀子・鏃・土師器などが、方墳からも銅鏡のミニチュアなどが出土し、須恵器の出土をみない点から古墳前・中期の墓地であったことが判明。なお古墳群は計八基からなっていた。


今岡村
いまおかむら

[現在地名]佐久市大字伴野ともの 今岡

千曲川の南岸に位置し、西は下県しもがた村、南は下平しもだいら村、東は下桜井しもざくらい村に接する。対岸岩尾いわお村。枝郷熊久保くまくぼは村の南方二キロ、小宮山こみやま村と下平村の間にある。

今岡・下県・下県新田のさんせぎ開削により開田が進んだとみられるが、寛永一三年(一六三六)の信州佐久郡子ノ年御改付御帳(文部省史料館蔵)には「高弐百七石壱斗壱升六合 取米七拾弐石八斗四升」とある。幕府領・甲府領・旗本領等を変転し、安永六年(一七七七)幕府領となり明治に至る。

千曲川の流路が北背の崖を洪水の度に削り村を脅かし、特に寛保二年(一七四二)・明和二年(一七六五)・同五年等の欠込みは大きく、ついに鎮守・諏訪明神社殿の移転を迫られた。


今岡村
いまおかむら

[現在地名]刈谷市今岡町

今川いまがわ村に続く東海道の街村。南は逢妻あいづま川をもってひと村と境する。村名の由来は、芋岡いもおかが転じて今岡となったといわれる。刈谷城主水野忠重は、天正一〇年(一五八二)緒川おがわ(現知多郡東浦町)も支配していたが(織田信雄分限帳)緒川善導ぜんどう寺檀家の者二〇軒を、東海道の南側に移住させたといい、天正年間に初めて一村をなした。水野忠重の定書(碧海郡誌)

<資料は省略されています>

とある。小助は、知多郡緒川おがわ村の郷士寺嶋小助のことで、忠重の命を受けてこの地に移住し里正となった(郷土資料)


今岡村
いまおかむら

[現在地名]温泉町今岡

金屋かなや村の北にある。西側を岸田きしだ川が北流し、金屋村境を流れる支流熊谷くまだに川が合流する。古くは八屋はちや村と称した(「二方考」、元和三年宮城豊盛領二方郡高帳など)。延宝五年(一六七七)にも八屋の村名がみえるが(「二方郡中高書附」奈良家文書)元禄郷帳では今岡村となっており、改称はこの間のことであろう。弘治三年(一五五七)の「但馬国にしかた日記」には「はちや」とみえ、当地には西村入道殿が住していた。


今岡村
いまおかむら

[現在地名]岡山市今岡

辛川市場からかわいちば村の東にある。富原とみはらから西進する古代・中世の山陽道は、北から延びる丘陵地を越えて辛川(唐皮)に至るが、この丘陵西麓に位置する。近世、付替えにより山陽道からは外れた。康永元年(一三四二)の「備前一宮社法」に「今岡村御崎ノ宮」とある。寛永備前国絵図に村名がみえ、高三三一石余。「備陽記」によると田畠二八町九反余。元禄(一六八八―一七〇四)頃の手鑑(則武文書)では直高二二五石余、神小右衛門の給地。家数三〇・人数一九三。文化年間の「岡山藩領手鑑」では直高は元禄期と同高で、神良介の給地。田高三三〇石余・畑高三三石余、家数三〇・人数一一九、牛一九・馬二、池八、樋二〇、関戸一、井関二、土橋二。


今岡村
いまおかむら

[現在地名]中里町福浦ふくうら

南西福浦村、東は八幡はちまん村に接する。金木新田一八ヵ村の一つで、明暦二年(一六五六)杉山茂太右衛門が移り住んだと伝える(中里町誌)。享保一二年(一七二七)の村位は下で免は四ツ成、豊田村がこの年今岡村に改名した(平山日記)。元文二年(一七三七)検地帳によれば、田方二一町二反三畝一歩、畑方四反一一歩、田畑屋敷合せて二一町六反三畝一二歩、村高一一〇・〇七七石、上田四反一畝二〇歩、中・下田なく、ほかは下々田である。


今岡村
いまおかむら

[現在地名]大原町今岡

宮本みやもと村の北に位置。宇喜多氏時代に北西の辻堂つじどう村より分村したという(東作誌)正保郷帳に村名がみえ、田一四二石余・畑五六石余。元禄一〇年(一六九七)美作国郡村高辻帳では改出高八六石余・開高一二石余、村位は下。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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