花軍(読み)ハナイクサ

デジタル大辞泉 「花軍」の意味・読み・例文・類語

はな‐いくさ【花軍】

花合せ2」に同じ。
桜の花の枝などで打ち合う遊び。〈日葡

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精選版 日本国語大辞典 「花軍」の意味・読み・例文・類語

はな‐いくさ【花軍】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. はなばなしく戦うこと。はなばなしい戦い。
      1. [初出の実例]「明日にも当城へ敵の乱れ入りて候はば、搦手口をば請取りて花軍を致すべきと存ずる」(出典:籾井家日記(1582頃)四)
    2. 花の枝で打ち合う遊戯。唐の玄宗が、侍女を二組に分けて花の枝で戦わせたという故事が有名。はなずもう。はなくらべ。《 季語・春 》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
    3. 花を出し合ってその優劣を競うこと。《 季語・春 》
      1. [初出の実例]「敵無の花軍(ハナイクサ)」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)三)
    4. 花と花との戦争。花の精と花の精との合戦。草花を擬人化したものによる想像上の戦い。謡曲「花軍」、御伽草子「草木太平記」などに描かれている合戦。
      1. [初出の実例]「必ず恨みの花軍、夢中にまみえ申さん」(出典:叢書本謡曲・花軍(1541頃))
  2. [ 2 ] 謡曲。四番目物。観世彌次郎長俊作。廃曲。ある男が花の会の頭役となり、伏見深草の里に種々の花を集めてまず白菊から立てようとすると、女郎花(おみなえし)の精が現われて自分を先に立ててくれとうらむ。その夜、男の夢の中に、白菊の精をはじめ種々の花の精が現われて、それぞれの位を競う。

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