若桜鬼ヶ城(読み)わかさおにがじょう

日本の城がわかる事典 「若桜鬼ヶ城」の解説

わかさおにがじょう【若桜鬼ヶ城】

鳥取県八頭郡若桜町にあった山城(やまじろ)。中世から近世への移行期を中心とする城郭。国指定史跡。若桜鬼ヶ城は駿河国矢部氏の一族、矢部十郎暉種(てるたね)が築城したのが始まりで、矢部太良左衛門吉茂(たろうざえもんよししげ)まで16代続いた。守護大名の山名氏と戦い、1489年(延徳1)に若桜の矢部館で自刃し、矢部一族は滅んだ。その後6人の城主が入れ替わり、鳥取城落城後の1581(天正9)に木下重賢(しげかた)(荒木平太夫)が2万石を領して入部したが1600年(慶長5)関ヶ原の戦いのあと改易となり、山崎家盛(いえもり)が城主となった。家盛は城を拡張し城下町として整備していったが、1617年(元和3)の一国一城令で廃城となった。現在も石垣や土塁、空堀などの遺構があり、本丸跡には天守台が残っている。また発掘調査で、行き止まり虎口と呼ばれる特殊な虎口などが発見された。若桜鉄道の若桜駅から徒歩約40分。若桜鬼ヶ城跡には城山林道があり、山頂近くまで車で登ることができる。駐車場から主郭部まで徒歩15分。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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