若桜(読み)わかざくら

精選版 日本国語大辞典 「若桜」の意味・読み・例文・類語

わか‐ざくら【若桜】

  1. 〘 名詞 〙 若木の桜。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「いつしかと植てみたればわか桜さかずて春のすぎぬべき哉」(出典:類従本清正集(10C中))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「若桜」の意味・わかりやすい解説

若桜(町)
わかさ

鳥取県南東部、八頭(やず)郡にある町。中国山地にあり、東は兵庫県、南は岡山県に接する。1909年(明治42)若桜、赤松菅野(すがの)の3村が合併して町制施行。1954年(昭和29)池田村と合併。若桜鉄道、国道29号、482号が通じる。千代(せんだい)川水系の八東(はっとう)川が北西方向へ貫流し、左岸に中心の若桜があり、明治時代の土蔵造りの建築物を移転・復元させた若桜町歴史民俗資料館がある。中世から近世初期まで鬼ヶ城があり、現在は林業の中心で、周辺には舂米(つくよね)など旧木地師(きじし)集落が多い。産業は林業のほか、広留野(ひろどめの)高原の夏ダイコンの集団栽培が名高く、三倉(みくら)石を特産する。兵庫県境の氷ノ山(ひょうせん)一帯は氷ノ山後山那岐山(うしろやまなぎさん)国定公園域。氷ノ山の自然について展示・紹介する県立の施設「氷ノ山自然ふれあい館 響の森(ひょうのせんしぜんふれあいかんひびきのもり)」がある。また、深雪地でわかさ氷ノ山スキー場がある。不動院岩屋堂は推定南北朝時代の舞台造建築で国指定重要文化財。落折(おちおり)地区には平経盛(つねもり)らの落人(おちゅうど)伝承がある。年中行事地蔵講、舂米の正月行事の頭渡(とうわた)しが知られる。面積199.18平方キロメートル、人口2864(2020)。

[岩永 實]


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改訂新版 世界大百科事典 「若桜」の意味・わかりやすい解説

若桜[町] (わかさ)

鳥取県南東端,八頭(やず)郡の町。人口3873(2010)。千代川支流の八東(はつとう)川上流域に位置し,兵庫・岡山両県と接する。町域は中国山地が広く占め,氷ノ山(ひようのせん),三室山などがそびえる。中心集落の若桜は鎌倉初期以降,矢部氏が鬼ヶ城を築いて支配した地で,天正年間(1573-92)の矢部氏滅亡後,慶長年間(1596-1615)に木下備中守の手で城下町の整備が進んだ。元和の一国一城令で城は破却されたが,以後は戸倉峠越えの若桜街道(国道29号線)の宿場町として栄えた。明治初期までは因幡木地師の本拠地で,かつては林業,製材業が基幹産業であった。近年は高冷地野菜の栽培が行われるが,第2,第3次産業が増えている。深雪地帯で雁木に似た〈かりや〉が残る。氷ノ山後山那岐山国定公園に属し,氷ノ山国際スキー場を中心とした観光開発が進んでいる。不動院岩屋堂は重要文化財に指定されている。若桜鉄道線が通じる。
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百科事典マイペディア 「若桜」の意味・わかりやすい解説

若桜[町]【わかさ】

鳥取県南東部,八東(はっとう)川上流域の八頭(やず)郡の町。主集落若桜は山崎氏の城下町,のち,若桜街道の宿場町として発達,若桜鉄道が通じる。大部分が山地で明治初期まで因幡(いなば)木地師の根拠地であった。林業を行い,野菜,果樹も産する。戸倉峠氷ノ山(ひょうのせん)がある。199.18km2。3873人(2010)。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「若桜」の解説

わかざくら【若桜】

山口の日本酒。蔵元は「豊田酒造場」。現在は廃業。蔵は萩市江崎にあった。

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デジタル大辞泉プラス 「若桜」の解説

若桜

鳥取県八頭郡若桜(わかさ)町にある道の駅。国道29号に沿う。

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