事典 日本の地域ブランド・名産品 「若田石硯」の解説
若田石硯[文房具]
わかたいしすずり
対馬市で製作されている。紫式部が『源氏物語』の執筆時に愛用したという。江戸時代初期から商品としてつくられ始めた。対馬市厳原町佐須川上流で採取される水成岩を用いる。発墨・留墨ともに優れた石質で、漆黒の自然美が特徴。江戸時代初期の儒学者・林羅山は著書のなかで、中国の端溪硯に匹敵する出来として高く評価した。凝った彫刻はほどこされず、石のもつ風合いそのまま生かしたものが多い。長崎県伝統工芸品。
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報