草地土壌(読み)そうちどじょう

改訂新版 世界大百科事典 「草地土壌」の意味・わかりやすい解説

草地土壌 (そうちどじょう)

自然草地(牧野)または人工草地牧草地)を形成している土壌をいう。草原土壌が自然植生としての草原に分布する土壌であるのに対し,草地土壌は草食家畜の粗飼料生産地あるいは飼養の場としての意義が大きい。日本の草地土壌は大部分火山灰土壌であるから,その一般的性質はほとんど火山灰土壌の性質と類似している。しかし,通常の火山灰土壌と異なる点は耕耘(こううん),施肥がほとんどなされないため0~3cmの土層の部位に著しく多量の腐植を含み,かつリン酸欠乏の程度も大きい。またカリウムの少ない土壌が多いことから,牧草のようにカリウム吸収量の大きいものではカリウム欠乏になりやすい。山地草原に牧草を導入し,草地造成を行う場合,機械による耕起,施肥,播種(はしゆ)よりも家畜の放牧で牧草地を作るほうがはるかに経済的で合理的であるとされている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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