国指定史跡ガイド 「荷田春満旧宅」の解説
かだのあずままろきゅうたく【荷田春満旧宅】
京都府京都市伏見区深草藪之内町にある邸宅跡。伏見稲荷(ふしみいなり)大社の南、楼門脇の荷田春満を祀る東丸(あずままろ)神社の奥に位置する、春満の生家とされる平屋建て書院造りの旧宅。一部は春満の死後に焼失したが、書院や祭器庫、庭などは当時の遺構をよく残している。春満は1669年(寛文9)に伏見稲荷大社の祠官(しかん)である羽倉家に生まれ、古典・国史を研究して近世国学を発展させ、『万葉集』や『古事記』『日本書紀』などを研究し、儒学の古学のもと、復古神道を提唱した。おもな著書に『万葉集僻案抄』や『春葉集』などがあり、賀茂真淵(かものまぶち)や本居宣長(もとおりのりなが)、平田篤胤(ひらたあつたね)ととともに国学四大人といわれる。1922年(大正11)に国の史跡に指定された。京阪電鉄京阪本線伏見稲荷駅から徒歩約5分。