菜種の里(読み)なたねのさと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「菜種の里」の意味・わかりやすい解説

菜種の里
なたねのさと

山川と並び称される島根県松江市の名菓。明治維新後はとだえていたが、1929年(昭和4)に三英堂の岡栄三郎が仕法を譲り受け復活させた。白雪糕(はくせっこう)を用いた打菓子で軟落雁(らくがん)の一種。この菓子の創作は文化(ぶんか)年間(1804~1818)で、松江藩菓子司の面高(おもだか)屋船越道順の手になる。道順は江戸・品川の伊勢屋越後大掾(いせやえちごだいじょう)について山川の製法を学んだが、帰国後に松平不昧(ふまい)公のお供で菅田庵(かんでんあん)に赴く途中、菜の花畑に蝶(ちょう)の舞う光景に想を得て、菜種の里をつくった。鮮やかな黄色の打ち物に煎(い)り玄米の蝶が舞う姿である。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「菜種の里」の解説

菜種の里

島根県松江市、三英堂が製造・販売する銘菓糯米(もちごめ)を製粉した寒梅粉原料にした落雁。

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