…説経《苅萱(かるかや)》に出てくる幼い主人公の名。《苅萱》のもとになる話は,中世の高野山の蓮華谷や往生院谷あたりの〈萱堂(かやんどう)〉に住む聖(ひじり)の間に生まれたもので,それが後に謡曲の《苅萱》と説経に分かれて展開したものである。説経《苅萱》の世界は,筑紫6ヵ国の所領と家族を捨てて,東山黒谷から高野山へのがれた苅萱を追って,御台所(みだいどころ)と石童丸が還俗を迫る話である。…
※「萱堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」