萱草(読み)かんぞう

精選版 日本国語大辞典 「萱草」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぞう クヮンザウ【萱草】

〘名〙
ユリ科多年草。主としてヤブカンゾウをさし、時に同属のノカンゾウハマカンゾウニッコウキスゲ等をも含む。各地の原野山地などに広く分布し、夏に、橙赤色ないし橙黄色ユリに似た花を数個つける。若芽や花は食用になる。
▼かんぞうの花《季・夏》
※延喜式(927)三七「供殖薬様廿五種麻黄。丹参。地黄。黄芩。奄閭。萱草」
※枕(10C終)一六一「前栽にくゎんざうといふ草を、ませ結ひていとおほく植ゑたりける」
源氏(1001‐14頃)葵「くゎむざうの袴など着たるもをかしき姿也」

か‐ぞう クヮザウ【萱草】

〘名〙 (「かんぞう」の撥音「ん」の無表記)
※林崎文庫旧蔵本堤中納言(11C中‐13C頃)はなだの女御「くゎさうにぞにさせ給へる」
② 「かんぞういろ(萱草色)」のこと。

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デジタル大辞泉 「萱草」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぞう〔クワンザウ〕【×萱草】

ススキノキ科ワスレグサ属の多年草の総称ノカンゾウヤブカンゾウニッコウキスゲユウスゲなど。葉は刀身状。夏、黄やだいだい色のユリに似た大きい花を数個開き、1日でしぼむ。多くの園芸品種や近縁種もある。けんぞう。 夏》湯治場や黄なる―得て帰る/子規

わすれぐさ【萱草】

宗祇による自撰連歌集。文明6年(1474)成立

けん‐ぞう〔‐ザウ〕【×萱草】

かんぞう(萱草)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「萱草」の解説

萱草 (ワスレグサ・カンゾウ)

学名Hemerocallis fulva var.kwanso
植物。ユリ科の多年草

萱草 (カンゾウ)

植物。ユリ科の園芸植物ホンカンゾウ別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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