葛葉(読み)くずのは

精選版 日本国語大辞典 「葛葉」の意味・読み・例文・類語

くずのは【葛葉】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙くず(葛)の葉
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 和泉国信太森(しのだのもり)の伝説にみえる白狐。安倍保名(あべのやすな)の妻となって、安倍晴明を生んだという。浄瑠璃歌舞伎に数多くとり上げられている。
    2. [ 二 ] 浄瑠璃「蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」の通称
    3. [ 三 ] 歌舞伎所作事。常磐津信田妻容影中富(しのだづますがたのなかとみ)」「花三升楓盛(はなとみますもみじのいろどき)」、富本御名残尾花留袖(おんなごりおばなのとめそで)」、常磐津・長唄「四季眺所作の花(しきおりおりていれのはちうえ)」などの通称。

くず‐は【葛葉】

  1. 〘 名詞 〙 葛の葉。その裏は白いので風でひるがえると目立つところから、「かえす(返)」を引き出す序としても用いられる。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「水茎の岡の田葛葉(くずは)を吹きかへし面(おも)知る子らが見えぬ頃かも」(出典万葉集(8C後)一二・三〇六八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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