精選版 日本国語大辞典 「葦鹿」の意味・読み・例文・類語
あし‐か【葦鹿・海驢】
- 〘 名詞 〙 ( 後世「あじか」とも )
- ① アシカ科の哺乳類。オットセイに似ているが、やや大形で雄は体長二メートル以上に達し、雌は約一・五メートル。体は暗褐色。四肢はひれ状で泳ぎがうまく、魚類を捕食する。海岸や岩礁などに集団で上陸して休息する。また、繁殖期には一雄多雌。太平洋に広く分布。カリフォルニアアシカ、ガラパゴスアシカ、ニホンアシカの三亜種に分類されるが、ニホンアシカは昭和二五年(一九五〇)前後に絶滅したとされる。綿毛がないため毛皮は利用されない。うみおそ。うみうそ。みち。
- [初出の実例]「下二弾正台一例云、雑石帯、画餝大刀、及素木鞍橋、独射葦鹿羆皮等、一切禁断者」(出典:日本後紀‐弘仁元年(810)九月乙丑)
- 「わが恋はあしかをねらふえぞ舟のよりみよらずみなみ間をぞまつ〈源仲正〉」(出典:夫木和歌抄(1310頃)三三)
- ② ( アシカが眠りを好む(和漢三才図会)と信じられたところから ) いつも眠りたがる人の異称。特に、睡眠不足に慣れないため、横になるとすぐ熟睡する若い娼婦(新造)の異名。
- [初出の実例]「あしか四五疋つれて出るいい女郎」(出典:雑俳・川傍柳(1780‐83)三)