葵文庫(読み)あおいぶんこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「葵文庫」の意味・わかりやすい解説

葵文庫
あおいぶんこ

1925年(大正14)に開館した文庫で、正称は静岡県立中央図書館葵文庫。静岡文庫とも称したことがあった。1868年(明治1)徳川家が静岡に移った際、蕃書調所(ばんしょしらべしょ)、開成所(かいせいじょ)、外国方(がいこくがた)、陸軍方(りくぐんがた)などにあったイギリス、ドイツ、フランス、オランダ洋書を林家(りんけ)蔵書などの和漢書とともに江戸から移管して文庫を設立した。洋書のなかでもとくに貴重なものが選ばれており、『ハルマ和解(わげ)』の原本と推定される『蘭仏(らんふつ)対訳辞書』1729年版などがある。

[長谷川成一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android