蒔絵師(読み)まきえし

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蒔絵師
まきえし

漆塗りの技法には下地(したじ)(ぬり)漆と、加飾の画(えがき)漆と、彫(ほり)漆とがあり、画漆の専門職人が蒔絵師で、平文(ひょうもん)師とともに12世紀に漆の塗師(ぬし)から分化した。蒔絵はおもに食器、家具、調度などに施され、貴族、武家、大名、大商人の需要に応じたもので、なかなか庶民のものとはならなかった。京都が生産の中心地であったが、17世紀からは江戸、金沢など地方的生産地もできた。居職(いじょく)で、下絵(したえ)は下絵書き、金銀粉は金粉師、金銀片は切金(きりがね)師から入手した。漆をしてから画漆にかかるものであるから、漆は画漆がしやすいようにしなければならない。蒔絵屋は自家製品のみを販売する者で、蒔絵を販売する商人ではない。[遠藤元男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

KPI

KPIとはkey performance indicator の略で、企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標のことをいう。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

蒔絵師の関連情報