蓮蔵寺(読み)れんぞうじ

日本歴史地名大系 「蓮蔵寺」の解説

蓮蔵寺
れんぞうじ

[現在地名]蔵王町宮 町

みやの中央部北側にあり、近世期は奥州街道と笹谷ささや街道の分岐点にあたった。真言宗智山派、宝池山と号し、本尊大日如来。明治初年の廃仏毀釈で古記録類を失った。文禄三年(一五九四)の蒲生氏高目録帳(内閣文庫蔵)に「蓮蔵寺宮ヘ入」とあり、遠形とおがつた(遠刈田)願行がんぎよう寺とともに宮のうちに含められたものと思われる。願行寺は「宮村安永風土記」によれば、役小角の叔父願行が刈田山麓に結んだ草庵の跡に、東寺系の実源が建立した寺で、平泉藤原氏の頃は四八坊の支院をもったが、室町期末の兵火により宮本みやもと坊・嶽之たけの坊・山之やまの坊だけが残った。うち宮にあった宮本坊が戦国期末に聖光しようこう院となり、天正一五年(一五八七)中興俊雄が伊達政宗の保護を受けて、宮本坊故地に新しく蓮蔵寺を建てたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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