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大日如来 だいにちにょらいMahāvairocana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大日如来
だいにちにょらい
Mahāvairocana

摩訶毘盧遮那と音写し,大日遍照,遍一切処などとも漢訳される。真言密教教主。宇宙の実相を仏格化した根本仏であり,一切の現実経験世界の現象はこの如来そのものであるといわれる。さらに三世にわたって常に説法していると説かれる。教説では,諸仏諸菩薩はすべて大日如来から出生した理智体であり,森羅万象はすべて如来の遍法界身であると説いている。大日如来には智徳の面を現示した金剛界大日如来と,理徳の面を現示した胎蔵界大日如来とがある。前者は五智如来の中央に位し,白色で五智の宝冠をかぶり,天衣を着け,大智拳印を結んで蓮華台上に結跏跌坐する。後者は金色の髪髻 (はっけい) の冠をかぶり,法界定印を結び赤色の蓮華の上に坐している。この両界の大日如来を合せて一体となったとき全仏格が発揮されると説いている。日本では空海が中国から密教を伝えた9世紀初め頃から信仰が始った。金剛界大日如来の遺品として唐招提寺の木像,奈良円成寺の運慶作の木像,胎蔵界大日如来としては広隆寺,岩手瑠璃光院の像が著名。

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デジタル大辞泉の解説

だいにち‐にょらい【大日如来】

《〈梵〉Mahāvairocanaの訳。音写は摩訶毘盧遮那(まかびるしゃな)。光明遍照とも訳す》真言密教の教主。宇宙の実相を仏格化した根本仏。像は宝冠をつけ結髪した菩薩(ぼさつ)形に表される。曼荼羅(まんだら)では主座を占め、智の面を示す金剛界では智拳印(ちけんいん)、理の面を示す胎蔵界では法界定印(ほっかいじょういん)を結ぶ。遍照如来。毘盧遮那。

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百科事典マイペディアの解説

大日如来【だいにちにょらい】

遍照(へんじょう)王如来,大日遍照などとも。真言密教の教主。諸仏・諸菩薩の根元をなす理智体で,宇宙の実相を仏格化した根本仏とされる。智徳の表現が金剛界大日,理徳の表現が胎蔵界大日とされ,天台宗では大日如来と釈迦如来は法身応身で同体とし,真言宗では釈迦如来は顕教の教主とみて異体とする。
→関連項目愛染明王運慶吉祥天三重塔大日経如来

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

大日如来 だいにちにょらい

大乗仏教の仏。
太陽神に起源をもち,宇宙の根元とされ,あらゆる仏,菩薩(ぼさつ)の本地。密教の本尊で,日本には平安時代前期,空海による密教導入にともない伝来。大日経と金剛頂経の説く二つの種類があり,如来でありながら菩薩の形をとる。高野山金剛峰寺(こんごうぶじ)の像が有名。多宝塔,五輪塔もその象徴とされる。漢訳の正式名は摩訶毘盧遮那仏(まかびるしゃなぶつ)。

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大辞林 第三版の解説

だいにちにょらい【大日如来】

Mahāvairocana 摩訶毘盧遮那〕
〘仏〙 密教の教主。宇宙の実相を体現する根本仏。図像には、智の働きを表す金剛界大日如来と、理を表す胎蔵界大日如来の二尊がある。大日。遍照如来。遮那教主。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大日如来
だいにちにょらい

真言(しんごん)密教の教主。大日とは「偉大な輝くもの」(サンスクリット語マハーバイローチャナMahvairocanaの訳。摩訶毘盧遮那(まかびるしゃな)と音写)を意味し、元は太陽の光照のことであったが、のちに宇宙の根本の仏の呼称となった。『大日経』『金剛頂経(こんごうちょうぎょう)』など真言密教のもっとも重要な経の教主。思想史的には『華厳経(けごんきょう)』の毘盧遮那如来が大日如来に昇格したものと推定されるが、前者は経中で終始沈黙しているのに対し、後者は教主であるとともに説主でもある。普通、仏の悟りそのものの境地は法身(ほっしん)といわれ、法身は色も形もないから説法もしないとされる。けれども大日如来は法身であるにもかかわらず説法し、その説法の内容が真言(語)、印契(いんげい)(身)、曼荼羅(まんだら)(意)である。法身大日如来がこのような身・語・意の様相において現れているのが三密加持であり、これが秘密といわれるのは、この境地は凡夫(ぼんぶ)はもちろんのこと十地(じゅうじ)(菩薩(ぼさつ)修行の段階を52に分け、そのなかの第41から第50位をいう)の菩薩もうかがい知ることができないからであるとされる。しかし真言行者は瑜伽観行(ゆがかんぎょう)によってこの生においてこの境地に至るとされ、これは大日如来と一体になることを意味する。ゆえに大日如来は究極の仏でありながら衆生(しゅじょう)のうちに内在する。仏の慈悲と智慧(ちえ)の面から胎蔵界・金剛界両部の大日が説かれる。[吉田宏晢]

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世界大百科事典内の大日如来の言及

【ウシ(牛)】より

…これはもともと人間のみそぎのように災厄を除こうとする民間信仰の強い要求が基底にあったからである。西日本では牛の守護神として大日如来の信仰が盛んであり,その縁日に牛をつれて参拝し,境内の草や樹枝を厩(うまや)にさしたり護符を牛小屋にはるなどの風習も広がった。また,農民は大日講,万人講などを結んで金銭を集め,それによって講員の耕牛を順次購入していく方式なども考えて実行していた。…

【大日】より

…その智慧の光明があまねく一切に及び,慈悲の活動が永遠不滅とされ,密教の体系ではすべての諸仏諸菩薩はこの如来より出生したとされる。《大日経》に説く胎蔵大日如来と,《金剛頂経》に説く金剛界大日如来の2種があり,両経が展開する説に基づいた,いわゆる両界曼荼羅の中心に位置する。すなわち胎蔵曼荼羅では中台八葉院の中心に,金剛界曼荼羅では成身会(じようじんえ)や一印会(いちいんえ)等の中心に描かれる。…

【多宝塔】より

…この塔形は日本へ仏塔を伝えた中国,朝鮮半島にはなく,日本で創始されたと思われる。平安時代初め,空海は高野山で大日如来の三昧耶形(さまやぎよう)をモデルにして毘盧遮那法界体性塔(びるしやなほつかいたいしようとう)を建立したが,この塔は三昧耶形そのままの宝塔形式(円形平面の一重塔)に裳階(もこし)(庇)を付けた二重の形式で,下重は方5間で内部には円形に並ぶ12本の柱列が2通りあったらしい。これを大塔(だいとう)形式ともいい,はじめは空海に関係の深い真言宗寺院で建てられたが,密教の盛行にともない,小型・簡略化して下重を方3間とし,内部の円形柱列をなくした現在みられる形式の多宝塔が,天台宗をはじめ他宗の寺院でも広く建てられるようになったと推考される。…

【知行目録】より

…知行宛行状(あてがいじよう)に付属する文書で,知行地とその高(石高,貫高)の明細を書き記したもの。〈知行書立〉ともいう。知行宛行状では知行高の記載が国郡の範囲にとどめられているので,〈目録在別紙〉として知行目録でその詳細を示した。知行宛行状が将軍ないし大名自身の発給する直状(じきじよう)の形式をとったのに対し,知行目録は老中,勘定奉行,代官らの実務に携わる責任者の奉書の形で発給されるのが通例であった。…

※「大日如来」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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