蕩々(読み)とうとう

精選版 日本国語大辞典 「蕩々」の意味・読み・例文・類語

とう‐とうタウタウ【蕩蕩・湯湯】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. 広大なさま。広々としているさま。強大なさま。
    1. [初出の実例]「崇儒重道之方。厳厳然尽峻礼世救民之術。蕩蕩乎施深仁」(出典:本朝文粋(1060頃)三・弁耆儒〈大江挙周〉)
    2. [その他の文献]〔書経‐洪範〕
  3. 平坦なさま。たいらかでやすらかなさま。〔楚辞‐九歎・離世
  4. さかんに水の流れるさま。
    1. [初出の実例]「波勢湯湯巴峡路、風声嫋嫋洞庭天」(出典:本朝麗藻(1010か)下・与諸文友泛船於宇治川聊以逍遙〈藤原伊周〉)
    2. [その他の文献]〔書経‐堯典〕
  5. おだやかなさま。また、心がゆったりとしているさま。
    1. [初出の実例]「悠悠万事甚狂急、蕩蕩一生長嶮」(出典:菅家文草(900頃)二・有所思)
    2. [その他の文献]〔論語‐述而〕
  6. みだれているさま。法度(はっと)のやぶれすたれるさま。〔布令必用新撰字引(1869)〕 〔詩経大雅・蕩〕
  7. とうとう(滔滔)
    1. [初出の実例]「其弁舌蕩々として」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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