薬子(読み)クスリコ

デジタル大辞泉 「薬子」の意味・読み・例文・類語

くすり‐こ【薬子】

平安時代、元日に、宮中供御くご屠蘇とそなどの毒味をした未婚少女。くすこ。 新年
元三の―」〈・一五六〉

くす‐こ【薬子】

くすりこ(薬子)

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精選版 日本国語大辞典 「薬子」の意味・読み・例文・類語

くすり‐こ【薬子】

  1. 〘 名詞 〙 元日に、宮中で供御(くご)屠蘇(とそ)を試しなめする未婚の少女。くすこ。《 季語・新年 》
    1. [初出の実例]「供御膳如例。薬子・後取又同」(出典:九暦‐逸文・天暦九年(955)正月一日)
    2. 「春日祭の近衛の舎人ども。元三のくすりこ」(出典:枕草子(10C終)一五六)

くす‐こ【薬子】

  1. 〘 名詞 〙くすりこ(薬子)

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世界大百科事典(旧版)内の薬子の言及

【毒味】より

…令制下の日本では,宮内省内膳司の長官である奉膳が,天皇の食事の毒味をすることになっていた。また,元日の屠蘇(とそ)を進めるにあたっては未婚の少女の中から選ばれた薬子(くすりこ∥くすこ)が試飲の役にあたった。中世には武家にもこの風がとり入れられ,試飲,試食を〈鬼〉〈鬼食い〉〈鬼飲み〉といい,それを行うことを〈鬼をする〉と呼んだ。…

【毒味】より

…令制下の日本では,宮内省内膳司の長官である奉膳が,天皇の食事の毒味をすることになっていた。また,元日の屠蘇(とそ)を進めるにあたっては未婚の少女の中から選ばれた薬子(くすりこ∥くすこ)が試飲の役にあたった。中世には武家にもこの風がとり入れられ,試飲,試食を〈鬼〉〈鬼食い〉〈鬼飲み〉といい,それを行うことを〈鬼をする〉と呼んだ。…

※「薬子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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