供御(読み)くご

日本大百科全書(ニッポニカ)「供御」の解説

供御
くご

おもに天皇の飲食に供する食膳(しょくぜん)をさすが、上皇皇后皇子らの食事をも含む。大宝令(たいほうりょう)にその規定がみえる。供御には日常用と儀式用とがあるが、いずれも米を主食とし、副食には魚、鳥、野菜、果物があてられる。日常の供御は朝二度であったが、のち室町時代には、三度の供御におのおの御菜7種、御汁2種、御には割った強飯(こわいい)をとるようすが『玉勝間(たまかつま)』にも引用されている。古代には近江(おうみ)贄人(にえびと)らの貢納物や屯倉(みやけ)からの米が、また奈良・平安時代には内膳司(ないぜんし)管轄下の御厨(みくりや)、御園(みその)、網代(あじろ)から貢進された。これらの農漁民や古代の贄人の系譜を引く者が供御人として組織され、鎌倉時代以降、中世を通じて座商業の発展とともに活発な活動を展開する。

[江部純一]

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デジタル大辞泉「供御」の解説

こ‐ご【供御】

《「く」の音変化》食事。
「釈迦様の開帳の、相伴やらお―やら」〈浄・女腹切

く‐ご【供御】

《「ぐご」とも》
天皇の飲食物、時には、上皇・皇后・皇子の飲食物をいう語。武家時代には将軍の飲食物をもいった。くぎょ。
飯(めし)をいう女房詞

く‐ぎょ【供御】

くご(供御)1

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「供御」の解説

供御
くご

広く貴人,将軍の食膳をさすが,特に,天皇の御膳を意味する。日常は朝夕2回。古くは屯田 (みた) ,屯倉 (みやけ) などの皇室直轄領から調進させたが,令制では,畿内官田から供御稲を得,宮内省所属の大炊 (おおい) 寮に収納し,内膳司に分配して調理のうえ御膳に供した。平安時代中期以降は官田が荘園化し,大炊寮の収入に頼り,戦国時代には,丹波国山国荘などの皇室領年貢に頼った。供御を進献する農民や漁民は,商業上の特権などを与えられたので,御厨子所 (みずしどころ) 供御人の身分を望む者が多かった。近世では,朝,昼,夕の3食が普通となり,主食は櫃司 (ひづかさ) ,副食は御清所 (おきよどころ) が担当した。

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精選版 日本国語大辞典「供御」の解説

く‐ご【供御】

〙 (古くは「ぐご」)
① お召し上がり物。天皇を敬って、その飲食物をいう語。時には、上皇、皇后、皇子にもいい、武家時代には将軍の飲食物にも用いた。
※令義解(718)職員「頭一人。〈掌供御輿輦〈略〉等事〉」
※徒然草(1331頃)四八「御前へ召されて、供御を出だされて食はせられけり」
② 召し上がり物をいう女房詞。ごはん。めし。
※海人藻芥(1420)「飯を供御、酒は九献、餠はかちん」
※御湯殿上日記‐文明九年(1477)七月一三日「日野よりはすのく御のものまいる」

く‐ぎょ【供御】

〘名〙 =くご(供御)

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