薬籠・野籠（読み）やろう

精選版 日本国語大辞典

や‐ろう【薬籠・野籠】

〘名〙

① ＝やくろう（薬籠）①〔文明本節用集（室町中）〕

② 薬を入れて携帯する、印籠に似た形の器。堆朱・堆黒などで装飾した。昔は火器なども入れた。やくろう。

※随筆・貞丈雑記（1784頃）八「薬籠(ヤロウ)と云物有印籠の如くにて丸き重箱也唐上にて薬を入る物也」

③ 挽茶を入れる、一種の壺。〔日葡辞書（1603‐04）〕

④ 腰にさげるタバコ入れ。〔物類称呼（1775）〕

⑤ 「やろうぶた（薬籠蓋）」の略。

※随筆・本朝世事談綺正誤（1819）「印籠〈略〉器物のふかく打おほふ蓋をやろうと云」

出典　精選版 日本国語大辞典