藤原範光(読み)ふじわらののりみつ

朝日日本歴史人物事典 「藤原範光」の解説

藤原範光

没年:建保1.4.5(1213.4.27)
生年:久寿2(1155)
鎌倉前期の公卿。権中納言従二位。刑部卿範兼と伊勢守源俊重の娘との子。後鳥羽上皇腹心の女房卿二位の兄弟。叔父範季の猶子となる。範季と姉範子が後鳥羽上皇を養育したことから,幼少時からその側近となり,のちに「寵臣」といわれ,人事に深く介入するなど権勢を振るった。範季の娘重子(修明門院)が後鳥羽との間に守成(順徳天皇)を生むと,その乳父となり,妻季子(範季の娘)と娘憲子(源有雅の妻)が乳母となった。守成が頻繁に彼の邸宅を訪れていることや,守成が東宮となると東宮亮に任命され,のち東宮権大夫となったことから範光が守成の後見的立場にあったと思われる。承元1(1207)年3月出家。

(秋山喜代子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原範光」の解説

藤原範光 ふじわらの-のりみつ

1154-1213 鎌倉時代の公卿(くぎょう)。
久寿元年生まれ。藤原範兼の子。叔父範季(のりすえ)の養子。従二位,権(ごんの)中納言となる。後鳥羽(ごとば)天皇の乳母をつとめた卿局(きょうのつぼね)(兼子)の兄で,後鳥羽院政で近臣として権勢をふるった。建暦(けんりゃく)3年4月5日死去。60歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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