藤氏の長者(読み)とうしのちょうじゃ

精選版 日本国語大辞典 「藤氏の長者」の意味・読み・例文・類語

とうし【藤氏】 の 長者(ちょうじゃ)

  1. 藤原氏首長として、氏を代表し、氏人を統率する地位。また、その人。長者印および朱器台盤をその象徴とし、氏神春日大社・氏寺興福寺での祭祀供養、氏人の叙爵申請などに当たる。元来勅命によって定められるものであったが、平安中期には摂政関白の地位に随うものとして私的に授受され、ついに摂関の地位とも分離するに至って保元の乱の一原因となり、乱後再び宣下の制に復した。
    1. [初出の実例]「維摩講師者、藤氏長者以職事挙申」(出典中右記‐嘉承元年(1106)五月二五日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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