デジタル大辞泉
「台盤」の意味・読み・例文・類語
だい‐ばん【台盤】
《「だいはん」とも》公家の調度の一。食器や食物をのせる台。4脚・横長の机状で、朱または黒の漆塗り。上面は縁が高く、中が低い。
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だい‐ばん【台盤】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 「だいはん」とも ) 宮殿の調度の一つ。食器類を載せる脚付きの台。
- [初出の実例]「御座以東設二女御以上座一〈略〉立二台盤一置二銀筋匙一」(出典:内裏式(833)八日賜女王祿式)
- ② 朱器、長者印とともに代々藤原氏の長者が継承した家宝の盤。大盤。
- ③ 飯をいう。〔物類称呼(1775)〕
- ④ 「だいばんどころ(台盤所)」の略。
- [初出の実例]「今日只有二殿上台盤饗一而已」(出典:小右記‐長和五年(1016)三月二四日)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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台盤
だいばん
「だいはん」と濁らず読む説や、盤台と書く古書もある。食物を盛る皿(盤)をのせる台というが、座卓形式の食卓。形状は四脚付きで、甲板の四周の縁を幅広く巡らし、内部は一段と低く平面になっている。この縁と内部とに食器をのせる。木造で朱漆、黒漆で塗装され、蒔絵(まきえ)、螺鈿(らでん)で加飾されている場合もある。大きさによって分類され、8尺(1尺は約30センチメートル)の長(なが)台盤は2人用、4尺の切(きり)台盤は1人用、また6尺の弘(ひろ)台盤、小形の小台盤があり、高さ1尺5寸5分、一定ではないが幅は2尺5寸以上である。いずれも必要に応じて連結して用いる。平安時代に内裏の清涼殿や殿上の間につねに備えられ、とくに清涼殿内にある女房の詰所を台盤所といって、台盤と食事を用意するところから、今日の台所の起源となる。また、台盤は平安貴族の食事用具であって、庶民生活に取り入れることなく今日に至った。ただ、神社の祭具として現在も用いている場合がある。
[郷家忠臣]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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台盤
だいばん
平安時代の宮廷,貴族の飲食調度の一つで,節会,大饗などに用いた。「だいはん,ばんだい」ともいう。食物を盛った盤 (皿) を載せる木製の机状の台。長さが約 240cmの大台盤 (長台盤,2人以上用) ,約 120cmの小台盤 (切台盤,1人用) などがあり,ともに幅は約 1m,高さは約 45cmぐらい。朱・黒漆塗で,上面は幅広い縁がつき中が低い。台盤を置く場所を台盤所といい,のち略して台所と称した。京都御所,清涼殿の台盤所に実例が伝存する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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台盤【だいばん】
平安時代に貴族の用いた食卓の一種。食物を盛った盤(さら)をのせる台のことで,ふつう四脚を備えた机形。朱塗,黒塗,蒔絵(まきえ)などを施し,1人用の小台盤(切台盤),2人以上用の大台盤(長台盤)などがある。
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普及版 字通
「台盤」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の台盤の言及
【膳】より
…机は坏(つき)をおく〈坏居(つきすえ)〉の意,〈おしき〉は天子などの〈食(おしもの)〉をのせる机の意とされる。ついで台盤や[折敷](おしき)が記録に現れるようになる。台盤は台つきの盤で《延喜式》にも盤面を方形,長方形,円形にかたどり,しかも大・小さまざまのものが見いだされる。…
※「台盤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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