叙爵(読み)ジョシャク

精選版 日本国語大辞典 「叙爵」の意味・読み・例文・類語

じょ‐しゃく【叙爵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制で、五位に叙されること。正六位上から従五位下に昇進すること。律令官制では五位と六位の差は大きく、下級官人を脱する意味があった。
    1. [初出の実例]「惟規は当職の蔵人にて有ければ、否(え)具しても不下ずして、叙爵して後にぞ下けるに」(出典今昔物語集(1120頃か)三一)
    2. 「叙爵(ジョシャク)の後は、此の太刀弦袋をぞ付たりける」(出典:太平記(14C後)三五)
  3. 叙位されること。
    1. [初出の実例]「内外文武官主典以上、叙爵一級」(出典:菅家文草(900頃)八・答公卿賀朔旦冬至詔)
  4. 爵位を授けられること。
    1. [初出の実例]「十七年の叙爵に、良人は伯爵、弟は梅津子爵となったのは好かったが」(出典:黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の叙爵の言及

【爵位】より

…律令官制における位階は官職との結びつきが強く,これを官位といった。三位以上を〈貴〉,四位,五位を〈通貴〉としてこれらに貴族的な特典が与えられ,五位に叙されることを叙爵といった。 日本古代以来の位階制,勲等制は明治以後も存続するが,1869年(明治2)の版籍奉還によって公卿,諸侯の称が廃止されて華族が設けられ,士族の上に置かれた。…

※「叙爵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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