藤野郷(読み)ふじのごう

日本歴史地名大系 「藤野郷」の解説

藤野郷
ふじのごう

和名抄」東急本に「布知乃」の訓がある。郷域について「日本地理志料」「大日本地名辞書」「岡山県通史」とも明治二二年(一八八九)成立の藤野村・吉永よしなが村の地とする。現和気郡和気町藤野・吉田よしだから吉永町中心部にかけての地域にあたる。「続日本紀」延暦七年(七八八)六月七日条の和気清麻呂の奏言によって、当郷に郡衙および藤野駅家が置かれていたことが知られる。郡衙については現存する小字名大政だいまんから藤野の「和気氏政庁跡」と通称されている地域に比定することができる。駅家については明確ではないが、吉田の飼葉かいばから平城宮六二二五式軒丸瓦が出土しており、その地名と合せて同地に置かれていた可能性も考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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