山川 日本史小辞典 改訂新版 「蘐園塾」の解説
蘐園塾
けんえんじゅく
荻生徂徠(おぎゅうそらい)の開いた塾。蘐は「かや」で,住居が江戸日本橋茅場(かやば)町(現,東京都中央区)にあったことによる。彼の江戸の住居は芝増上寺門前,柳沢吉保の藩邸内をへて,1709年(宝永6)茅場町に構えた。その後も転居しているが,門下を蘐園学派と称している。多数の人材が経学・文学を中心に輩出し,その唱導する古文辞学は諸分野に影響した。とくに経学では太宰春台,文学では服部南郭,明律研究では荻生北渓,経書(けいしょ)の校合(きょうごう)校訂では山井崑崙(やまのいこんろん)らが継承した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報