蘭川
あららぎがわ
下伊那郡阿智村境の南沢山(一五八七メートル)から流れ出る南沢を本谷として、広瀬で摺古木山・大平峠に水源をもつ広瀬川と合し、さらに妻籠の橋場で男
山(一三四二・四メートル)・馬籠峠(八〇一メートル)から流れ出る男
川を合して吾妻橋で木曾川に合流している。流域には広瀬国有林・南蘭国有林・男
国有林などの広大な国有林があるが、江戸時代は弘化年間(一八四四―四八)の「木曾考続貂」によると、蘭の「南の沢・なへ割・荒道・袖むくり」の四ヵ所が巣山に、「木屋場か沢・丸山」が留山に指定され、住民の立入りが厳禁されていたものである。
明治一三年(一八八〇)の「木曾沿革史」によると、弘化元年には江戸城建築材として、王滝山・柿其山・上松小川山などとともに、蘭山からも用材が伐り出されており、また嘉永二年(一八四九)には伊勢神宮の式年遷宮御造営材が湯舟沢山とともに蘭山からも伐り出されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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