吾妻(読み)アズマ

デジタル大辞泉 「吾妻」の意味・読み・例文・類語

あ‐ずま〔‐づま〕【×吾妻/××嬬】

わが妻。私の妻。
「三たび嘆かして、―はやと詔云りたまひき」〈・中〉

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精選版 日本国語大辞典 「吾妻」の意味・読み・例文・類語

あ‐ずま‥づま【吾妻・吾嬬】

  1. 〘 名詞 〙 わが妻。私の妻。
    1. [初出の実例]「其の坂に登り立ちて、三たび歎かして、『阿豆麻(アヅマ)波夜(はや)〈阿より下の五字は音を以ゐよ〉』と詔云(の)りたまひき」(出典:古事記(712)中)

あがつま【吾妻】

  1. 群馬県北西部吾妻川流域にある郡。四万(しま)、草津など、数多くの温泉群がある。古くは「あかつま」とも。〔二十巻本和名抄(934頃)〕

あづま【吾妻】

  1. 〘 名詞 〙あずま(東・吾妻)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「吾妻」の意味・わかりやすい解説

吾妻(群馬県)
あがつま

群馬県中西部、吾妻郡にあった旧町名(吾妻町(まち))。現在は東吾妻町(ひがしあがつままち)の中央から西部を占める地域。旧吾妻町は1889年(明治22)原町(はらまち)として町制施行。1955年(昭和30)太田、岩島、坂上(さかうえ)の3村と合併。1956年吾妻町と改称。2006年(平成18)同郡東(あづま)村と合併して東吾妻町となる。旧町域の大部分は、榛名(はるな)山北西部と浅間隠(あさまかくし)山北東部の各斜面で、北部を西から東へ流れる吾妻川と、浅間隠山から北東へ流れる支流の温川(ぬるかわ)の両川の河岸段丘面が平地になっている。JR吾妻線と国道145号が東西に走り、ほかに国道406号が通じる。原町以外は、水田および畜産、野菜やコンニャクイモの栽培を主とする農村である。花卉(かき)栽培も盛んで、スイセンは全国でも有数の産地となっている。4月には「水仙まつり」が行われる。工業団地に電器などの企業が進出している。原町の北部の岩櫃(いわびつ)山(803メートル)には、弥生(やよい)期の岩櫃山遺跡と、往古関東の三名城の一つといわれた岩櫃城跡があり、温川上流には浅間隠温泉郷(きょう)(鳩(はと)ノ湯、温川、薬師(やくし)温泉)がある。また、旧町域の北西部には国名勝の吾妻峡や、川中温泉もある。

[村木定雄]


吾妻(長崎県)
あづま

長崎県南東部、南高来(みなみたかき)郡にあった旧町名(吾妻町(ちょう))。現在は雲仙市(うんぜんし)の北西部を占める。旧吾妻町は1954年(昭和29)山田、守山(もりやま)の2村が合併して吾妻村となり、1963年(昭和38)町制施行。2005年(平成17)国見(くにみ)、瑞穂(みずほ)、愛野(あいの)、千々石(ちぢわ)、小浜(おばま)、南串山(みなみくしやま)の6町と合併、市制施行して雲仙市となった。旧町域は島原半島の北西部に位置し、有明(ありあけ)海に臨む。山田は古代『和名抄(わみょうしょう)』の山田郷の地で、『延喜式(えんぎしき)』の山田駅の置かれた地。現在は島原鉄道、国道251号が通じる。海岸部は諫早干拓地(いさはやかんたくち)に続く新田が広がり、米作が盛んである。この新田は、明治末期から昭和初期にわたって造成された干拓地で、250ヘクタールを有する。背後には雲仙火山の外輪山である吾妻岳、その山麓(さんろく)には吾妻岳牧野があり、黒牛の放牧が行われている。火山性扇状地上ではミカン、ブドウ栽培のほか、ジャガイモの生産が盛んである。漁業はノリ養殖が主体で、漁家の97%を占める。

[石井泰義]

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百科事典マイペディア 「吾妻」の意味・わかりやすい解説

吾妻[町]【あづま】

長崎県南高来(みなみたかき)郡,島原半島北部の旧町。島原鉄道が通じる。干拓地を含み農業地帯を形成,米作を行うほか,ミカン,イチゴ,ナス,メロン,花卉(かき)を産し,畜産も盛ん。2005年10月,西高来郡国見町,瑞穂町,愛野町,千々石町,小浜町,南串山町と合併し市制,雲仙市となる。32.55km2。7831人(2003)。

吾妻[町]【あがつま】

群馬県北西部,吾妻郡の旧町。東半は榛名(はるな)山の北西斜面,西半は吾妻川と支流の温(ぬる)川流域を占め,全町ほぼ山地。吾妻川北岸の中心市街原町は江戸時代以来市場町として発達,吾妻線が通じる。コンニャクなどを特産し,花卉(かき)の栽培も行う。家電などの工場がある。2006年3月,吾妻郡東村と合併し町制,吾妻郡東吾妻町となる。220.20km2。1万5259人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吾妻」の意味・わかりやすい解説

吾妻
あづま

長崎県南東部,雲仙市北部の旧町域。島原半島の北西部で諫早湾に面する。1954年山田村と守山村が合体して吾妻村となり,1963年町制。2005年国見町,瑞穂町,愛野町,千々石町,小浜町,南串山町と合体して雲仙市となる。雲仙岳扇状地を開析した小河川の流域と干拓地は,長崎県の主要水田地帯の一つをなす。扇状地や丘陵は畑地で,畜産とジャガイモ栽培が行なわれる。諫早湾干拓事業により,1999年対岸の諫早市と結ぶ潮受け堤防が完成した。

吾妻
あがつま

群馬県中部,東吾妻町中・西部の旧町域。榛名山北斜面から吾妻川中流域を占める。 1956年原町から吾妻町に改称。 2006年村と合体して東吾妻町となった。中心集落原町は,中之条盆地の谷口に位置する。山地が広く,耕地は吾妻川と支流温川 (ぬるがわ) のつくる河岸段丘上にあり,コンニャクイモ畑とクワ畑が多い。西部の吾妻渓谷 (国指定名勝) は,「関東の耶馬渓」と呼ばれる景勝地で,北部の岩櫃山には中世の関東三岩城の一つとして名高い岩櫃城跡がある。原町の大ケヤキは国の天然記念物。

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改訂新版 世界大百科事典 「吾妻」の意味・わかりやすい解説

吾妻 (あがつま)


吾妻 (あづま)

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