精選版 日本国語大辞典 「蘭麝」の意味・読み・例文・類語 らん‐じゃ【蘭麝】 〘 名詞 〙 蘭草(ふじばかま)と麝香(じゃこう)の香り。また、よい香り。[初出の実例]「気香薫馥之貌、不レ異二蘭麝散レ風之匂一」(出典:玉造小町子壮衰書(10C後))「君がために衣裳に薫(たきもの)すれども君蘭麝を聞(か)ぎながら馨香ならずとおもへり〈白居易〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)[その他の文献]〔晉書‐石崇伝〕蘭麝の語誌( 1 )唐の白居易の新楽府「太行路」が挙例のように「和漢朗詠」にとられたところから一般に知られるようになり、美しい女性の袖や衣にたきしめた芳香の描写に多く用いられる。( 2 )東大寺に伝えられた香木に「蘭奢待(らんじゃたい)」というものがあり、これと混じて、「蘭奢」と表記されることもある。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例