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蘭奢待 らんじゃたい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蘭奢待
らんじゃたい

正倉院にある名香の名で「東大寺」ともいう。中国から渡来し,木片として日本に現存する最古の材。天平年間に東大寺に納められたところから,この銘がつけられたという。伽羅の一種で材の長さは 153cm,木口周囲 117cm,末口の周囲 12cm,重さ 130kg。

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デジタル大辞泉の解説

らんじゃたい【××奢待】

奈良時代に中国から渡来し、正倉院御物として伝わった名香木。長さ約1.5メートル、重さ11.6キロの極上の伽羅(きゃら)の朽ち木で、心部は空洞。「蘭奢待」の3字の中に「東大寺」の3字を含むので東大寺ともいう。黄熟香(おうじゅくこう)。

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百科事典マイペディアの解説

蘭奢待【らんじゃたい】

奈良時代,中国より伝来した香木正倉院宝物。最上伽羅(きゃら)で,香道では〈東大寺〉と称する。61種名香の第2位。足利将軍の義満義教・義政,織田信長徳川家康らが小片を切ったとされる。

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デジタル大辞泉プラスの解説

蘭奢待(らんじゃたい)

奈良県奈良市、おくたが製造・販売する銘菓和三盆吉野本葛を原料とする干菓子。正倉院御物の香木、黄熟香にちなんで作られたもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

らんじゃたい【蘭奢待】

香木の一種。正倉院宝物の香薬中,目録に黄熟香(おうじゆくこう)と記されている3貫500匁,5尺1寸の香木を香道家は蘭奢待と呼ぶ。木所(きどころ)は伽羅である。目録では薬物に分類され,鎮静,去痰の薬効があるという。芯の部分は朽ちて空洞となっている。数ヵ所に截香の跡がある。黄熟の語義は明らかでないが,中国明代,倪朱謨(げいしゆばく)の《本艸彙言》によれば,木肌が熟して黄色をおび佳香を発するところから名づけられたという。

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大辞林 第三版の解説

らんじゃたい【蘭奢待】

正倉院宝物の黄熟香おうじゆくこう。聖武天皇の代に中国から伝わったという名香。蘭奢待の文字の中に「東大寺」の三字を含むというが命名の事情は不明。長さ約1.5メートル、重さ約13キログラム。足利義政・織田信長・徳川家康が勅許を得て切り取ったといわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蘭奢待
らんじゃたい

正倉院中倉に伝世する香木。聖武(しょうむ)天皇によって蘭奢待と命名されたと伝わる。銘文中に東大寺の名が含まれるところから、別名東大寺、また黄熟香(おうじゅくこう)とも称する。名香六一種のうち第一の名香として、香道では奇宝とし、聞香(もんこう)では返し十度の作法を伝える。足利義政(あしかがよしまさ)、織田信長らが、この沈香(じんこう)を切り取った話は有名で、また正親町(おおぎまち)天皇は「聖代の余薫」と歌った。信長に下賜された小片は京都・泉涌(せんにゅう)寺と尾張一宮(おわりいちのみや)に寄進され、千利休(せんのりきゅう)も、この香の聞香者である。[猪熊兼勝]

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世界大百科事典内の蘭奢待の言及

【香木】より

…《正倉院御物棚別目録》《法隆寺資財帳》《東大寺献物帳》等には,黄熟香(おうじゆくこう),全桟香(ぜんせんこう),沈香(じんこう),沈水香などの名で,香木が麝香(じやこう),コショウ,桂心等の香料とともに香薬として記載されており,また正倉院には黄熟香,全桟香,沈香のほか薫陸香(くんろくこう)(乳香),丁香(丁字花),えび香(調合した防虫芳香剤)等の香料が多量に収蔵されている。香道家はこの黄熟香を蘭奢待(らんじやたい),全桟香を紅塵(こうじん)と香銘で呼んでいるが,いずれも伝説的な天下第一の名香である。平安貴族は香を神仏に供えるのみでなく,日常生活の中で賞美する趣味の対象とし,沈香の粉末のほか各種の香料を調合練り合わせる空薫(空香)物(そらだきもの)(練香)に婉艶華麗な世界をひらき,秘技を競った。…

※「蘭奢待」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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