虫所山村(読み)むしところやまむら

日本歴史地名大系 「虫所山村」の解説

虫所山村
むしところやまむら

[現在地名]佐伯町虫所山

大峯おおみね山の西南に位置する山間の村で、木野この川の上流域にあたる。村内は大虫おおむし助藤すけとう夏夜鳥なつやどり虫道むしどう新山にいやま(二井山)・所山・河面こうもの七地区に分れるが、「芸藩通志」は大虫・虫道・所山の地名を合して村名としたという。助藤は中世の百姓名に由来する名か。

中世には虫所山郷とよばれ、天文一〇年(一五四一)七月五日付の大内氏奉行人連署奉書(厳島野坂文書)に「虫所山」とみえ、麻原あさはら(浅原村)とともに神米一九石九斗余が厳島社修理替物の足付として沙汰されている。同一三年五月一八日付の厳島年中祭料条々案并陶晴賢奉行人証判(同文書)に「山里四郷并廿日市納銭事厳嶋へ御寄進御足付員数之事、(中略)一麻原并虫所山両所神米十九石九斗余、右当社修理替物為御足付御寄進」とあり、この頃当地は土毛田ともた(友田)・麻原および吉和よしわ(現吉和村)の各郷とともに山里やまざと四郷と総称されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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