ことわざを知る辞典 「血は水よりも濃し」の解説
血は水よりも濃し
[使用例] 血は水よりも濃しと言おうか、実家に移された当時、金之助少年はなぜか非常にうれしかった。生まれた家に帰ったとは気がつかずに、自分の両親をもとどおり祖父母とのみ思いこみ、相変わらず彼らをおじいさん、おばあさんと呼んでいた[渡部昇一*漱石と漢詩|1974]
[解説] ドイツ語から英語経由で入ってきた表現のようですが、外来のものと意識されないほど定着しています。日本語でも血が血縁を意味し、水も他人行儀なことを「水くさい」ということなどから、初めて耳にしてもほぼ理解できるものでしょう。また、受容の過程でシンプルな文語調が選択され、翻訳臭が消えています。ヨーロッパでは、「血は水に変えられない」ともいい、血と水が対比されるのは、水はすぐ蒸発して痕跡が残らないのに対し、血は凝固して時を経ても消えないからといいます。
〔ドイツ〕Blut ist dicker als Wasser.
〔英語〕Blood is thicker than water.
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