行政実例(読み)ぎょうせいじつれい

改訂新版 世界大百科事典 「行政実例」の意味・わかりやすい解説

行政実例 (ぎょうせいじつれい)

通常,主として行政機関が法令の適用等に関し疑義がある場合に,関係所轄行政機関に対し疑問点等を示して意見を求め(照会),照会を受けた行政機関がこれに対して回答した事案を,行政運営上の参考に供するため公にしたものをいう。行政機関の法律解釈の統一やその運用の円滑化を図るために執行命令が定められ,さらに法令解釈や裁量権行使の基準として訓令通達等が発せられるが,これらは下級行政機関を拘束するのに対し,行政実例は単なる意見の表明である。また,国の行政機関が地方公共団体に対し法的拘束力のない条例(案)(準則)や取扱要領を示すことがあるが,これらは具体的な照会に対する回答ではない。行政実例には法的拘束力はないが,行政機関の法令適用上の先例として,事実上その権限行使の具体的基準をなし,行政機関の具体的見解を知るうえにおいても重要である。その検索は,回答の年月日,回答機関の文書番号により行うことができる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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