朝日日本歴史人物事典 「行教」の解説
行教
平安前期の大安寺の僧。石清水八幡宮の創立者。紀魚弼の子。行表に師事。三論宗または法相宗を学び,伝燈大法師位となる。貞観1(859)年,清和天皇の即位に伴い,藤原良房の命で宇佐八幡宮(宇佐神宮)に参籠。平安京の近くに遷座する託宣を受け,山城国男山(京都府八幡市)に社殿を造り,翌2年に八幡神を勧請して石清水八幡宮とした。同3年に宇佐で『大般若経』などの講読を行い,石清水八幡宮に15僧を置いた。弟子で甥の安宗は,宇佐で一切経を書写し,同17年,行教の没後に完成させた。紀氏は大宰帥,大弐を輩出した氏族で,石清水八幡宮の祀官は同氏が世襲した。益信は弟。真済は甥。<参考文献>中野幡能編『八幡信仰』
(岡野浩二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報