(読み)ク

デジタル大辞泉 「衢」の意味・読み・例文・類語

く【衢】[漢字項目]

[音]ク(漢) [訓]ちまた
四方に通じる道。よつつじ。「街衢康衢

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「衢」の読み・字形・画数・意味


24画

[字音]
[字訓] ちまた・つじ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は瞿(く)。瞿は鳥が左右視して驚く意。(く)は矛刃の四出するもので、瞿に左右旁出の意がある。〔説文〕二下に「四、之れを衢と謂ふ」とあり、〔爾雅、釈宮〕の文による。〔左伝、襄十一年〕「(こ)れを五の衢に詛す」、また〔昭二年〕「諸(こ)れを氏の衢に尸(さら)す」とあり、衢はその地の氏族の名でよばれ、呪詛や処刑を行う場所であった。わが国のにあたる語である。

[訓義]
1. ちまた、つじ、よつつじ。
2. みち、わかれみち。
3. 旁出するもの、木のえだ。

[古辞書の訓]
名義抄〕衢 チマタ

[語系]
衢・・懼giuaは同声。衢が処刑や呪詛などを行う場所とされたのは、やはり瞿kiuaと声義の関係があろう。

[熟語]
衢宇衢柯・衢歌衢逵衢鼓・衢・衢国衢塞・衢市衢肆・衢室・衢術衢処衢尊・衢地・衢衢塗衢灯・衢道衢陌・衢民衢謡衢閭・衢路
[下接語]
雲衢・遠衢・外衢・街衢・九衢・広衢・衢・郊衢・高衢・康衢・詩衢・脩衢・春衢・星衢・中衢・長衢・通衢・庭衢・天衢・道衢・分衢・望衢・臨衢

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android