衣張山
きぬばりやま
杉本寺の南方、犬懸ヶ谷の上の山で標高一二〇・二メートル。絹張山・衣掛山ともいう。山名は源頼朝(一説に政子)が夏この山に絹を張り、雪景色を見るようにこれをめでた故事による(鎌倉志・風土記稿)とか、犬懸ヶ谷に住む尼僧が松樹に衣を掛けてさらしたためともいうが、「金兼藁」は、衣を張っただけで山名がついたのではおかしく、おそらく老婆が汚れた着物などを洗濯し、竿に掛けて干したのであろうと述べている。「風土記稿」によると山中には大平・蛇屋蔵・地蔵・久保などの地名があったという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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