杉本寺(読み)スギモトデラ

デジタル大辞泉 「杉本寺」の意味・読み・例文・類語

すぎもと‐でら【杉本寺】

神奈川県鎌倉市にある天台宗の寺。山号大蔵山。開創は天平6年(734)、開山行基で、円仁中興と伝える。坂東三十三所の第1番札所。下馬観音大蔵観音杉本観音。

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精選版 日本国語大辞典 「杉本寺」の意味・読み・例文・類語

すぎもと‐でら【杉本寺】

  1. 神奈川県鎌倉市二階堂にある天台宗の寺。山号は大蔵山。天平六年(七三四)行基(ぎょうき)創建と伝えられる。円仁が中興。鎌倉最古の寺の一つ。本堂観音堂)は延宝五年(一六七七)の再建。坂東三十三所の第一番札所。杉本観音。大蔵(倉)観音。下馬観音。

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日本歴史地名大系 「杉本寺」の解説

杉本寺
すぎもとでら

[現在地名]鎌倉市二階堂

なめり川の右岸浄妙じようみよう寺の西にある。天台宗、大蔵山観音院杉本寺と号する。本尊十一面観音立像。通称は大倉おおくら(蔵)観音・杉本観音。永禄三年(一五六〇)書写の本尊縁起(県史八)によれば天平六年(七三四)行基が創建、中興開山は慈覚という。鎌倉で最も古い仏跡の一つ。坂東三十三観音の一番札所。もと宝戒ほうかい寺末。

「吾妻鏡」文治五年(一一八九)一一月二三日条に「大倉観音堂回禄、失火云々」とあり、この日の夜、隣家の失火で観音堂を類焼、この際、別当浄台(泰)は火中に入り衣のすそを焦がしただけで火傷すら負わず無事本尊を取出したという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「杉本寺」の意味・わかりやすい解説

杉本寺
すぎもとでら

神奈川県鎌倉市二階堂杉本にある天台宗の寺。本尊は十一面観音菩薩(かんのんぼさつ)3体。大蔵山(だいぞうさん)杉本寺観音院と号し、大蔵(おおくら)観音、杉本観音ともいう。坂東三十三観音第1番札所。鎌倉最古の寺。734年(天平6)行基が創建し、慈覚大師円仁(えんにん)が中興したと伝える。1189年(文治5)火災にあい、別当浄台坊は火中に入り本尊を取り出したが、衣をわずかに焦がしただけで火傷もしなかったという。またこのとき、本尊がひとりで庭内の杉の本に避難したので、杉本というとも伝えられる。源頼朝(よりとも)・実朝(さねとも)が参詣(さんけい)し、たびたび厚い保護を加えている。1337年(延元2・建武4)に北畠顕家(きたばたけあきいえ)が鎌倉に討ち入り、当寺背後にあった杉本城を攻撃した際、斯波家長(しばいえなが)、相馬重胤(そうましげたね)らが堂内で自刃した。信心なく堂前を馬で通れば落馬するといわれ、下馬観音ともよばれた。十一面観音3体のうち、伝円仁・恵心(えしん)作の2体は国の重要文化財。毎年8月10日の四万(しまん)六千日参りは参詣者でにぎわう。

[田村晃祐]

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デジタル大辞泉プラス 「杉本寺」の解説

杉本寺

神奈川県鎌倉市にある寺院。天台宗。山号は大蔵山。734年、行基の開山と伝わる。本尊の十一面観音像3体のうち、2体が国の重要文化財に指定されている。「杉本観音」ともいう。

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事典・日本の観光資源 「杉本寺」の解説

杉本寺(第1番)

(神奈川県鎌倉市)
板東三十三箇所」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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