化学辞典 第2版 「表面圧はかり」の解説
表面圧はかり
ヒョウメンアツハカリ
surface balance
水面分子膜の示す表面圧を測定する装置で,現在,次の2種類が用いられている.
(1)ラングミュア-アダムの方法;水面に分子膜をつくる面と純水面との間にろうを塗った軽い可動性仕切りを浮かべ,その両端は白金リボンで両表面の流通を遮断しておく.水面に分子膜をつくって,その表面積をはっ水性の仕切り(ポッケルスの仕切りという)を用いて圧縮していくと,分子膜面の表面張力の低下に応じて,可動性仕切りが純水のほうに向かって動く.これをもとの位置に戻すのに要する力をてこの作用,あるいは針金のねじりはかりで測定する.
(2)ウィルヘルミー法;表面張力測定法の一つであるウィルヘルミー法の応用である.すなわち,水面に垂直につけたガラス板を水中に引き込む力をてんびんで測定する.水面に分子膜ができると表面張力が下がり板は浮き上がるので,板の位置をつねに一定に保ちながら表面積(A)とこの表面張力の変化(F)を測定すればF-A曲線が得られ,これから単分子膜の挙動を観察することができる.最近,この変化を自動的に記録する装置が考案されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報